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第30話 『 人間になりたかった猫 』



「ポッポーーーーー!!!

ポッポーーーーー!!!」








ソウタ

” ね、眠い・・・。 ”






ねぼけた頭の中に

ハツラツとした声が飛び込んでくる







「ポッポーーーーー!!!

ポッポーーーーー!!!」










ソウタ

” この声は・・・

ユイっぺ か・・・。 ”








ゆっくりと目を開けるソウタ




見慣れない天井が見える













2017年 8月25日
朝 8:30

東京 台場
ホテル





前日の夜

『 奇跡体験!アリビリバボー 』

の生放送の撮影があったため

ソウタ と ニャルもん と ユイ の3人は

台場のホテルに

1泊した







ユイのテンションが

朝から最高潮なのは


前日に

こんなことがあったからだ













------前日
生放送の終了後のスタジオ




ソウタたちと共に

撮影を見学していたユイは

バナナーマン日村 と

遊んでいた






日村

「 『 日村機関車 』 出発進行~~っ!!

ポッポーーーーー!!!」





ユイ

「 『 ユイ機関車 』 出発進行~~っ!!

ポッポーーーーー!!!」





『 機関車 』 になった二人は

しばらくスタジオの中を

グルグルと回っていた ------











これが

よほど楽しかったのだろう


ユイは翌日も

朝から 一人で 『 機関車 』 になっていた







ユイ

「ポッポーーーーー!!!」







ソウタ

「おはよう、ユイっぺ。」







ユイ

「あっ、

おはよう、ソウタ♪」







ソウタ

「お前、

また、そんなこと してんの?」







ユイ

「でへへへ。」







ソウタ

「ユイっぺは、ほんとに

日村さんのこと、好きだね。」







ユイ

「だって、日村さん、すごく やさしいんだもん。


ユイ、日村さんのこと

ますます好きになっちゃった♪」







ソウタ

「うん。

良かったね。」







ユイ

「うんっ♪♪」














朝食をとった後

3人は


『 ジョイポリス 』


で数時間 遊び






ダイバーシティ で

建設中の

『 ユニコーンガンダム 』

を見た









ユイ

「ユイ、今度は

観覧車に乗りたいっ!」







ソウタ

「機関車の次は、観覧車ですか。」







3人は 大観覧車 へ向かった








大観覧車に着いたが

当然 行列ができていた




行列に並ぶ3人




そして

ソウタたちの順番が

まわってきた






ソウタとユイに続いて

観覧車のゴンドラに向かうニャルもん









その時だった






係員

「猫は乗れませんよ!」






にゃるもんが

係員に止められた







ニャルもん

「ん??

何を言っておる?

ワシは人間じゃが??」






ニャルもんは

顔中の筋肉に力を入れ

目いっぱい

顔を変形させた







ニャルもん

「うふっ♡

おにいさん、こんにちは♪



あたし、



トリンドル玲奈 ですっ♡♡











トリンドルもん





係員

「はい、ダメです。



『 醜悪な猫 』



は、なおさらダメです!」







ニャルもん

「いや、ワシは

ほんとに人間なんじゃ。


毎週金曜 は



『 猫っぽい顔 』



になるだけなんじゃ。」







係員

「金曜は 『 猫っぽい顔 』 ??

どういう意味だっ!?

怪しい猫めっ!!」







ニャルもん

「こ、これ、何をする!?

い、いたたたたっ!


ええい!!

汚らわしい手で

気安く

ワシの体に触れるでないっ!


この、腐れ外道め!!」






係員に

羽交い締めにされる

ニャルもん







ニャルもん

「こ、これ!

離せっ!!


ワシは絶対に

この観覧車に乗るんじゃ!!」






係員は無線で

増員を求めた


すぐに他の係員が

駆けつけた





5人の係員に

押さえつけられる

ニャルもん







ニャルもん

「嫌じゃ、嫌じゃ!!


ワシは、どうしても

この観覧車に

乗りたいんじゃ!!


老い先短い ジジイの

ささやかな夢 を

どうか奪わんでおくれ!!」






とうとう地面に

押さえつけられる

ニャルもん








ニャルもん

「助けてぇーー!!!

だ、誰かーーーっ!


誰か、弁護士を呼んでくれーーーーーっ!!


『 動物虐待 』 で、訴えてやるーーーっ!!」







係員

「あっ!!

ついに猫だと認めたなっ!!


なにが



『 トリンドル玲奈 ですっ♡♡』



だ!!




全世界の

トリンドル玲奈ファン に謝れっ!!


この、変態ネコ が!!」






ボコッ!

ボコッ!!






5人の係員から

タコ殴り にされる

ニャルもん







ニャルもん

「ふぎゃああああああああああ!!


ネコ を タコ殴り にするにゃああああ!!!」







ソウタ

「よし、今だ!

行くぞ、ユイっぺ!!」








ユイ

「うんっ♪」








ソウタ と ユイ は

タコ殴りにされるネコ が

動けなくなっているスキに

ゴンドラへ飛び乗った








--- 第30話 ---
『 人間になりたかった猫 』 (完)





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第31話 『 何もの にも 縛られず・・・ 』




ソウタ と ユイ は

タコ殴りにされるネコ が

動けなくなっているスキに

ゴンドラへ飛び乗った







ソウタたちが乗ったのは





『 パレットタウン大観覧車 』





直径 100m / 高さ115m



かつて

世界一の高さ

にも輝いた

大観覧車である








ユイ

「わぁーーーーーーーっ♡♡

ねぇ、

見て見て、ソウタぁ!!


あっという間に

街が

あんなに ちっちゃくなっちゃったぁ!」







ソウタ

「う、うん・・・。」







ソウタは

両手のこぶしを握りしめたまま

下を向いている







ユイ

「ソウタ・・・

もしかして、高い所・・・・・・。」







ソウタ

「・・・う、うん・・・。」









真顔になるユイ





ユイは

震えているソウタの こぶしの上に

自分の手を

そっと重ねた







ユイ

「ソウタ・・・。


いつも

ユイのわがまま聞いてくれて

ありがとう。


ユイ、

すごく うれしいよ。」







ソウタ

「あ・・・うん・・・。


ユイっぺ が喜んでくれて

ぼくも うれしいよ・・・。」











ゴンドラの中に

甘い空気が漂い始めた












ドキドキ ドキドキ









二人の胸の鼓動は

加速していった









甘い空気の中

徐々に上昇していたゴンドラが

最も高い位置に達した










ユイ

ソウタ・・・・・・。」










小声でソウタの名前を呼んだユイは



静かに目を閉じた













ソウタは

ユイの小さくて細い両肩の上に

そっと手を置いた












ソウタ

「・・・・・・。」







ユイ

「・・・・・・。」








ソウタ

「将棋で・・・

タイトルを獲ったら・・・。



その時まで、待ってて・・・。」









ユイは目を開け

しばらくした後


ニコッと笑った








ユイ

「じゃあ、約束ね♪


・・・ソウタが

将棋でタイトルを獲ったら・・・



・・・ユイにキスしてね。」







ソウタ

「・・・うん。」













ソウタはユイの想いに応(こた)えるべきか

迷った






だが やはり

今のソウタにとって

ユイは




『 大切に守っていきたい妹 』




という存在なのである














二人を乗せたゴンドラは

少しずつ

地上へと

近づいていった






しかし


二人の未来は

観覧車よりも 遥かに高く


大空の彼方まで

どこまでも どこまでも

続いているのだ











ソウタは思った






” そう・・・


ぼくたちは

まだ 子供なのだ。



急いで大人になる必要はない。





自由に・・・


のんびりと・・・


人生を歩いていこう。








僕たちを


縛りつけるもの など


何もないのだから。 ”












人生において



甘く幸せな時






キラリと瞬く流星 のように


いつも一瞬である








そう


この二人にも

まもなく





あの悲劇 ( 喜劇?? )





がやって来るのである



しかし それは

また次回の話













地上に戻って来たゴンドラ





ソウタとユイは

地上に降りた




その時

ユイは

捨てられていた ボロ雑巾 を

踏んでしまう







ユイ

「やんっ!


なんで、こんな所に

こんな キチャナイ物 があるの?」








ユイは ボロ雑巾 を蹴飛ばそうとした








ソウタ

「待って!!

ユイっ!!」







ユイ

「???」








ソウタ

「それ、ボロ雑巾 じゃなくて・・・


・・・


・・・ニャルもん だよ。」









そう

それは

20分前までは


トリンドルもん



こんな姿であった生き物だった









ソウタは


『 ボロ雑巾よりも ボロ雑巾らしい
20分前まで 猫であった物体 』


を カバンに詰めた







ソウタ

「さっ。


そろそろ、(愛知県)瀬戸 に

帰ろうか。」







ユイ

「うん♪」








3人の

東京への小さな旅



終わりを告げた












かと思われた









その時


突然


茂みから出てきた男達が

ソウタ と ユイ と ボロ雑巾 を

力づくで押さえ込み

縄でグルグルに縛りつけた




男達は

クロロホルムの染み込んだハンカチを取り出し

3人の口にあてた




ソウタ と ユイ と ボロ雑巾 は

気を失った












ナレーション

[急いで大人になる必要はない]
[自由に のんびりと 人生を歩いて行こう]

[そう、決心したソウタに]
[忍び寄る、謎の集団]

[次回、その正体が明らかになる!!]











--- 第31話 ---
『 何もの にも 縛られず・・・ 』 (完)





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第32話 『 謎の中年たれ目オヤジ 』

縄でグルグルに縛られ

気を失った3人








ソウタは夢を見ていた






” 急いで大人になる必要はない。




自由に・・・

のんびりと・・・

人生を歩いて行こう。




僕たちを

縛りつけるもの など

何もないのだから。 


・・・・・。 ”















知らない『 中年たれ目オヤジ 』 の声が

聞こえてくる





「さぁ! 若者たちよ!

目覚めなさいっ!!」






その声で

目が覚めるソウタ







ソウタ

「うぅん・・・。


あれっ?

いつの間にか、寝ちゃってたの??


・・・。


ちょ、ちょっと、起きてよ!!


ユイっ!!


ボロ雑巾っ!!」










ソウタは

隣で寝ている

ユイ と ボロ雑巾 を

起こした










ユイ

「・・・あ、おはよう、ソウタ。」







ニャルもん

「・・・にゃああ。」








目が覚めた3人



ソウタ と ユイ は

ある異変に気づいた







ソウタ

「あれっ??

何、この服??」







ユイ

「わあぁあ♪

キレイな黄色♡」








ソウタ と ユイ は

なぜか


『 黄色い服 』


を着させられていた










謎の中年たれ目オヤジ

「おはよう、若者諸君!!


君たちの

新たな挑戦が

今、始まったのだ!



命、短し

走れよ、若人



さぁ、

走れ!!


走るんだーーーーーっ!!!」








ソウタ と ユイ と ニャルもん は

何が起きているのか

訳が分からなかったが


言われるがままに

走り始めた









舌 24時間走る









ソウタ

「自由に、のんびりと

人生を歩いて行こう

って、決めたのにぃ!!」









人生は なかなか

自分の思い通りに 進まないものだ











ソウタたちを

走るように仕向けた


『 謎の中年たれ目オヤジ 』 の正体は





毒蜜 和夫 (どくみつ かずお)






であった







マイクを持って実況する
毒蜜 和夫

「毒蜜でございます。


さぁ、始まりました♪

毎年、恒例



『 24時間 戦えますか テレビ 』



名物企画


日本武道館を目指す

チャリティーマラソン!!


ついに、ついに スタートいたしましたぁ!」







ソウタ

「えぇ?

何、これ?


ブルゾンちえみ さんが

走るんじゃなかったのぉ??」







毒蜜 和夫

「さぁ、沿道の みなさん、

ご覧ください!




ソウタ、ユイ、ボロ雑巾 !!




3人の若人たちが

武道館を目指して

走っています!!



なお、

この模様は

インターネットで

全世界に生配信されております!!」









街を行く人の中には

今年のランナーが

まだ 誰なのか

知らない人も かなりいるようだった





話題の

『 天才少年プロ棋士 』

が走っている姿を見て

沿道の人々は

徐々に

歓声を上げた





声援を送る人の中には

手に数珠を握り


『 ありがたや、ありがたや。』




感謝と念仏を唱える婆さん までいる







ソウタ

「な、なんか

スゴイことに、なってきちゃったなぁ・・・。」







沿道の歓声に

毒蜜 和夫 の実況が

拍車をかける








毒蜜

「なんと、なんと美しい光景でありましょうか!!



かつて、これほど美しい光景を

我々は

目にしたことが あったでしょうか?」







ソウタ

「・・・。」







毒蜜

「日本列島、1億2000万人が注目する

日本の夏の伝統行事

チャリティーマラソン

が行われております。


3人は、なんと!!

ノーギャラで走っております!!



私は、競馬で

年間 数百万円、スッておりますが


彼らは なんと

ノーギャラで


『 馬車馬(ばしゃうま)のごとく 』


走っております!!」










[沿道の歓声]

「うぉおおおおおお!!!


ノーーーーギャラっ!!!

ノーーーーギャラっ!!!

ノーーーーギャラっ!!!」









どこからともなく

沸き上がる

ノーギャラコール







毒蜜

「ノーギャラで走る、彼らの勇姿!!


涙なしには見られませんっ!!」








ふところから ハンカチを取り出し

あふれ出す涙を

ぬぐいながら

必死で実況を続ける毒蜜









毒蜜

「素晴らしい。


この光景は、まさに


『 奇跡 』!!



我が 栄光の巨人軍 が

1996年に

首位との 11.5ゲーム差を

ひっくり返して優勝した



あの

『 メークドラマ 』

を、遥かにしのぐ奇跡が、



まさに、今

我々の目の前で

繰り広げられております!!」








[沿道の歓声]

「うぉおおおおおお!!!

ミラクルっ!!

ミラクルっ!!

ミラクルっ!!」







毒蜜

「ついに、ついに

日本武道館が見えてまいりました!!




4コーナーをカーブして

各馬、武道館の直線へと

入ってまいりました!!




ああ

青春の1ページ





本来ならば

ここで



ZARD の 『 負けないで 』



『 サライ 』



を、おかけしたい所でありますが



JASRAC

が うるさそうなので

おかけすることが できませんっ!!」







[沿道の歓声]

「うぉおおおおおお!!!

著作権っ!!!

著作権っ!!!

著作権っ!!!」







著作権コール の嵐の中

ソウタ と ユイ と ボロ雑巾 は

日本武道館へ

入って行こうとする








入口で係員に止められた









係員

「ダメです!


いま、


『 24時間テレビ 』


を やってるので

入れませんよ。」










ニャルもん は

とっさに 顔中の筋肉を

変形させ


自分だけ

入って行こうとした









ブルもん





係員

「はい、


『 醜悪な猫 』


は、なおさらダメです!





てか、


また、お前か!

この、変態ネコ!!」






ボコッ!!

ボコッ!!







ボロ雑巾 は

スーパーボロ雑巾 へ

進化した








ソウタ

「えっ!?


でも、僕たち


『 チャリティーマラソン 』


で走って来たんですけど・・・・。」








係員

「いや、

何も聞いてませんけど。」











毒蜜

「ふっふっふっふっふ。




『 告白 』





しましょう。


君たちが、今まで走って来たのは

全て


ニセモノの番組


だったのです!!」








ソウタ

「なにぃ!!?」







毒蜜

「考えてもみろ!!


お台場から日本武道館まで

たった 7キロ

走ったくらいで

感動するわけないだろっ!!


この、ガキがっ!



わかったか!?


わかったら、とっとと帰れ!!」









そう


毒蜜 和夫 とは


日本武道館の近所に住む




ただの たれ目のオヤジ




だったのである







たれ目のオヤジが

仲間と

毎年 これを


趣味で

やっているのだ







毒蜜

「あっ。


でも、言っとくけど

インターネットで全世界に生配信 は

本当だから。


じゃ、あとは

ヨロピク~~♪♪








そう言い残し

毒蜜は

巨人戦の中継をみるため

スキップしながら

家に帰って行った








沿道の人々

「バカ野郎!!

ふざけやがって!!


感動して損したわ!!」








激怒した人々は

ソウタたちに対し

次々と

石を投げつけた










哀れ

二人 と スーパーボロ雑巾





財布は おろか

荷物を全て 毒蜜に取られた 3人は



恥ずかしい黄色い服 を着たまま



泣きながら


はるばる 愛知県まで

歩いて帰って行きました












作者
疲労により

雑な終わり方を
お許しください














[沿道の歓声]

「うぉおおおおおお!!!

疲労!!!

疲労!!!

疲労!!!」










--- 第32話 ---
『 謎の中年たれ目オヤジ 』 (完)





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藤井くんフィーバーが続けば、話をたくさん書けると思って、ブログを書き始めたら、すでにフィーバーが下火になってた(泣)

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